- 宅建の過去問演習を行う際に気をつけることは?
- 過去問をやりこんだけど不合格だった…
- 宅建業者で働いていれば、試験なんて余裕でしょ?
こんなお悩みや疑問点をお持ちの方に、リアルな不合格体験をお届けします。
結論から言うと、意外と宅建業者でも試験は苦戦しており、明暗を分けるのは過去問演習の取り組み方です。
本記事では3度目にようやく合格を手にした男性の記録をご紹介します。
過去問演習の取り組み方について意識の持ち方は非常に有益です。
目次
宅建取得で手当が付くこともあります
初めて試験を受けたのは31歳。
当時は賃貸会社にて営業職をしており、宅建資格は会社が要望する資格の中でも最も推奨されるものでした。
住宅業界の中でも賃貸会社は宅建資格者が少ない傾向にあり、そのため資格手当も3万円付くおいしい資格だったのです。
受験をする動機としてはやはりそこが大きな理由でしょう。
周りの社員を見ても「とりあえず申し込みはする」という人間が多かったのも理由の一つです。
結局3回受験しましたが、本当に資格を取りたいという思いで受験をしたのは合格した3回目だけだったように思います。
独学での挑戦を決意
正直なところ初回はほとんど勉強せずに受験しました。
ですので2回目の受験の際に行った勉強方法について話します。
独学で勉強を進めましたが、使用したのはらくらく宅建塾という参考書です。
学習を始めたのは、試験の1カ月前から。時間は帰宅後、21時から22時までの約1時間。
まずは参考書を一通り読み、その後4択の問題を繰り返し解くという方法です。
時間としては短いですが、宅建業者で働いており実務経験もあるのである程度はいけるだろうという考えです。
全体像を把握する理由はまんべんなく正解するため
最初に一通り読んだのは、まずは全体的な内容を理解するためと、読んで内容が分かる場所と分からない場所を把握するためです。
とりあえずわからない部分についてはテキストを読み返し、その後問題を解くということを繰り返し行いました。
この様な方法を取ったのは、試験問題全体に対し平均的に理解することが合格への近道だと考えたからです。
1つの科目に対しどれだけエキスパートになったとしても、一番多い宅建業法ですら20問しかありません。
得意分野で満点を取るよりも、苦手分野を6割正解する方が合格しやすいと考えたのです。
満点を目指すより6割を目指す方が楽
もともと賃貸業に従事していたので、宅建業法については実務である程度覚えておりました。おかげですんなりと頭に入れることができたのです。
反面、権利関係や法令上の制限については言葉の意味自体が分からないものもあり、理解するまでに時間がかかりました。
ですが8割を10割にするよりも3割を6割にする方がはるかに簡単です。
実際この勉強方法を行うことで、問題の正解率もぐんぐん上がっていきました。
【結果は不合格】反省点は心構え
業務知識だけで挑んだ初回は25点で不合格。
意外と取れたなと思う反面、まともに勉強しないと合格は出来ないと感じたのが正直な感想です。
勉強して挑んだ二回目は30点で不合格。
合格点が32点だったので、もう少し真面目にやっていれば合格出来たと実感しました。
ここで初めて「悔しい、合格したい」という思いが生まれました。
最大の敵は自分自身でした
不合格になった一番の原因は、資格取得に対する心構えです。
合格出来たら良いなという気持ちでは、ついつい楽な方へと気持ちが流れて行ってしまいます。
特に宅建資格が必要な住宅関係の仕事は今の時代でも勤務時間が長いことが多く、勉強の意欲もわきにくいです。
ですが本当に合格したいという思いがあれば、自由時間の一部を勉強時間に充てた所でしんどいという気持ちにはなりません。
お金でも仕事の目標でもチャレンジしたいという思いでも何でも良いので、絶対に合格しようという思いを持つことが大事です。
【宅建のコツ】50問の4択問題ではなく200問の正誤問題
その後、私は3度目の試験で合格することができました。
合格した年の勉強を通じて、宅建の問題を解く際のコツをご紹介します。
それは宅建の問題は「50問の4択問題」ではなく「200問の正誤問題」であるという意識です。
正解肢1つずつ丁寧に向き合う
重視したのは一つ一つの問題の正否と意味を理解するようにしたところです。
宅建の問題には以下のようなパターンがあります。
- 4択のうち1つが正しい
- 4択のうち1つが誤り
- 4択のうち複数が正しい(個数問題)
「50問の4択」は上記の問題をそのまま1問ととらえます。
「200問の正誤問題」は上記を1問と考えるのではなく、選択肢4つをそれぞれ1問ずつの〇✕問題ととらえます。
200問の正誤問題は過去問学習において有効
過去問を解くフェーズに入ったら、「200問の正誤問題」という意識は非常に重要です。
どうしても「50問の4択」という考え方だと、問題の正解か不正解かにとらわれてしまいがち。
「200問の正誤問題」という意識でのぞめば、問題自体は正解していたとしても選択肢1つ1つの復習ができるようになります。
50問の4択という考え方でダラダラと問題を解いていると、そのうち問題自体を覚えてしまうという危険な状態にもなりかねません。
200問の正誤問題はペース配分にも役立ちます
宅建の試験は120分ですので、ペース配分も重要です。
最後の20分は見直しの時間とすると、実質問題を解けるのは100分間。
- 「50問の4択」という考え方だと、1問あたり2分
- 「200問の正誤問題」という考え方だと、1問あたり30秒
実際やってみるとわかりますが、1問につき30秒のリミットが設けられているとかなりプレッシャーがかかります。
本試験ではペース配分を誤って自滅してしまう方も多いです。
普段の過去問演習からプレッシャーのかかる訓練をしておくことで、本番にも対応できるでしょう。
まとめ【意識1つで結果は変わります】
本記事では3度目の受験で合格を果たした宅建業従事者の不合格体験をお届けしました。
普段実務で行っているとはいえ、宅建試験となると苦戦する方が多いのです。
最終的に明暗を分けるのは、やはり学習に取り組む際の意識です。
1問1問に向き合った100時間と、惰性でダラダラ学習している300時間では、間違いなく前者の方が合格率が高いでしょう。
「宅建は200問の正誤問題」という意識は過去問演習をやるうえで非常に重要です。
ぜひ参考にしてみて下さい。